SEO対策をしていても、「成果が出ているのか?」「何を改善すべきか?」が分からなければ前進できません。
その判断に不可欠なのが、アクセス解析の活用です。
GoogleアナリティクスやSearch Consoleといったツールを通じて、トラフィックの質やページのパフォーマンスを数値で把握することが、次の打ち手を決める羅針盤となります。
本記事では、SEOに強いサイトを構築するために「見るべき指標」「読み取り方」「活用法」を体系的に解説します。
アクセス解析ツールの基礎理解

アクセス解析ツールは2大ツールが存在します。
他にもツールはあるのですが、それらも以下2つをしっかり使いこなせるようになることが大前提です。
ツール名 | 主な役割 |
---|---|
Googleアナリティクス(GA4) | ページ訪問後のユーザー行動を把握(滞在時間・回遊率など) |
Google Search Console(GSC) | 検索エンジンとの接点を分析(表示回数・クリック率・検索キーワードなど) |
どちらか一方だけでなく、両方を組み合わせて分析することが重要です。
前者は「ユーザーがどう動いたか」、後者は「検索結果でどう見られているか」を示します。
競合調査ツールの活用で目標を可視化する
自社データだけを見ていても、「良いのか悪いのか」が分からないことがあります。
そこで重要なのが、競合サイトとの比較です。
競合サイトがどんな流入経路を使い、どこからリンクを得ているかを分析することで、自社が取り組むべき領域が浮かび上がります。
- 他社サイトのトラフィック量、流入元、人気ページ、検索キーワードなどが把握できる
- 無料版でも上位5件のデータが取得可能、有料版ではさらに詳細な解析が可能
- 自社との差を定量的に測定し、目標値を設定する際の基準になる

SEOで重視すべき5つの基本指標

- PV(ページビュー)数
-
単なる「アクセスの多さ」ではなく、「狙ったページが狙ったキーワードで読まれているか」が重要。
- セッション数
-
訪問者数と捉えられるが、同一ユーザーが1日に複数回来る場合もある。
リピーター分析にも活用。 - 直帰率
-
1ページ見てすぐ離脱した割合。
高すぎる場合は、「検索意図と合っていない」「次の導線がない」可能性あり。 - 滞在時間
-
記事の長さにもよるが、2〜3分以上の滞在があれば高評価。
短すぎる場合は導入文やレイアウトの見直しを。 - 回遊率(ページ/セッション)
-
ユーザーがどれだけ多くのページを閲覧したか。
関連リンクやナビゲーションの工夫で改善できる。
流入経路の分析で施策の優先度を見極める
アクセスの“入口”は、そのユーザーの意図や行動傾向を示すヒントになります。
流入元 | 特徴 | 改善の方向性 |
---|---|---|
オーガニック検索(Googleなど) | SEOの効果が最も分かりやすい | 対象キーワードの順位・CTRを精査 |
参照サイト(他サイトからのリンク) | 被リンクの価値が見える | 掲載媒体・ジャンルの確認 |
SNS(Twitter、Instagramなど) | 拡散力あり、滞在は短め | 画像・動画と導線設計が鍵 |
ダイレクト | 指名検索やブックマーク | ブランドの強さを示す |
有料広告 | 効果検証が可能 | 広告文と遷移先の関連性をチェック |
流入元ごとの滞在時間やコンバージョン率の違いを見ることで、より効率的な施策の選定が可能になります。
流入キーワードの解析で検索意図に寄り添う

Search Consoleでは、「どのキーワードで表示・クリックされたか」が確認できます。
特に重要なのは以下のポイントです。
- 表示回数が多いのにクリック率が低い → タイトルやディスクリプションの改善対象
- 検索意図とページ内容がズレている → コンテンツのリライトやキーワード変更

複数のキーワードで流入しているページは、そのページの網羅性が高い証拠でもあります。
滞在時間とユーザー回遊から「満足度」を測る
検索意図に寄り添えてユーザーがサイトに長く滞在し、複数ページを閲覧している場合は、“このサイトは役立っている”とGoogleに評価される可能性が高くなります。
- 1ページの情報密度を高める(図解・事例など)
- 「次に読むべき記事」への明確な導線
- モバイルでの読みやすさ改善(行間・文字サイズ)
人気ページの分析で“評価されている理由”を知る


GAやGSCでは、よく読まれているページの一覧が見られます。
- タイトルが魅力的(思わずクリックしたくなる)
- 内容が深い(初心者にも専門家にも有益)
- 内部・外部からの導線がある(見つけやすい)
こうしたページを定期的に分析・比較し、評価されていないページとの違いを見つけることが改善の近道になります。
ユーザー環境の把握


スマホとPCでは行動が違う
アクセス解析では、デバイス・OS・ブラウザ・地域などのユーザー環境もチェックできます。
項目 | 見るべき理由 |
---|---|
スマホ/PC比率 | スマホの方が直帰率が高ければ、モバイル表示最適化が必要 |
地域別アクセス | 特定地域に偏りがある → ローカル施策や表現調整に活用 |
ブラウザ別 | 表示崩れや速度問題の発見につながる |
ユーザーの“画面の中”を想像することで、より最適なレイアウト・導線を作ることができます。
まとめ
数字はすべて「改善のヒント」になる
SEOにおけるアクセス解析は、単なる報告作業ではありません。
それは「今、ユーザーが何を考え、どこに困り、どこで満足しているか」を知るマーケティングの羅針盤です。
見るべき指標を正しく選び、仮説を立て、改善につなげる。
- 検索されているか?(Search Console)
- クリックされているか?(CTR)
- 読まれているか?(滞在時間・回遊率)
- 成果に結びついているか?(コンバージョン)
このPDCAの繰り返しこそが、SEOで成果を出すための最短ルートです。
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