検索順位が突然大きく下落した――
そんな時にまず必要なのは「すぐにあれこれ修正する」ことではなく、原因を正確に把握することです。
原因がわからないまま対策を進めると、的外れな対応になり、かえって順位の悪化を招くことすらあります。
本記事では、検索順位が落ちたときにまず確認すべきポイントと、主な原因11パターンを実務視点で解説します。
著者:クルエイチ


【経験】
2015年よりブログ運営開始
【実績】
2025年5月:SEO検定1級認定
ペナルティは「自動」と「手動」に分かれる

Googleによる順位下落の多くは、自動アルゴリズムによるものですが、悪質なケースでは人力による「手動ペナルティ」が下されることもあります。
種別 | 内容 | 主な例 |
---|---|---|
自動 | アルゴリズムが問題を検出して自動的に順位を下げる | コンテンツの品質低下 不正リンク ページ速度低下など |
手動 | Googleの品質評価チームが目視・調査で対応 | 明確なガイドライン違反 (スパム、不正リンク、隠しテキストなど) |
検索順位が落ちる11の主な原因
Googleのアルゴリズム変更や手動対策以外にも、順位下落には人為的ミスや競合要因など複数の要素が絡みます。
以下に、検索順位が落ちる代表的な11の要因を紹介します。
【原因1】レンタルサーバの不調・仕様変更
- サーバーダウンやエラー多発によりクローラーがアクセスできず、評価が一時的に低下
- SSL証明書の更新ミスや、IP変更なども原因に
▶ チェックポイント:
Search Consoleの「カバレッジ」や「クロールエラー」レポートを確認。
【原因2】サイト運営者のミス
- metaタグのnoindex設定ミス、robots.txtのブロック、リダイレクト設定の誤りなど
- ページ構成変更後のURLミスや404増加なども見逃されがち
【原因3】SEO目的のリンク購入や不正リンク

- 被リンクの質が悪い場合、ペンギンアップデートにより順位が急落
- スパムサイトからの被リンクが急増した場合も注意
▶ チェックポイント:
Search Consoleの「リンク」→怪しいドメイン名をチェック。必要に応じてdisavow(否認)提出。
【原因4】目標キーワードとページテーマにギャップがある

- キーワードに対する答えになっていない、内容が薄い場合、Googleに「意図ずれ」と判断される
- トピックが広すぎて焦点がぼやけるケースも多い
【原因5】トップページの目標キーワードとサイト全体のテーマにギャップがある
- トップページが多ジャンルに展開しており、Googleがサイトの主テーマを認識できない
- 雑多なコンテンツが増えたサイトでよく起こる問題
【原因6】コンテンツのオリジナル性が低い
- 競合のリライト、引用の寄せ集め、AI生成のみの内容などは評価が伸びない
- パンダアップデート対象になる可能性も
【原因7】別ドメインの類似サイトを運営している
- 同一人物が複数の類似サイトを運営している場合、スパム扱いされやすい
- 同IP・同デザインなどはリスク要因
【原因8】他社が運営する別ドメインのサイトに自社コンテンツのコピーを掲載している
- 内容が流用されていたり、盗用されているとGoogleがオリジナルを誤認する可能性あり
- コピーサイトの方が被リンクが多いと、逆に評価が上回る危険も
【原因9】Googleアルゴリズムが自動的に「サイト品質の低下」を検知

- 過剰な広告、読み込み速度の悪化、内部リンク切れの放置なども含まれる
- UXの低下が全体評価に波及する
【原因10】不自然な被リンクをGoogleが検知
- 有料リンク、相互リンク集、リンク交換フォーラムなどは要注意
- 特定ジャンルで見られる“リンクSEO”は依然リスクあり
【原因11】Googleサーチクオリティチームによる目視判定
- 品質ガイドラインに違反していると判断された場合、手動対策が入る
- スパムレポートなどから通報された可能性もある
順位下落は“相対評価”の結果であることもある
検索順位の仕組みは、あくまで相対評価です。
したがって、自サイトに問題がなくても、他サイトの評価が上がった結果として、順位が下がることは珍しくありません。
- 強力な競合が新規参入した
- 競合がアップデートに合わせて改善を実施した
- 自サイトが長期間更新されていない
この場合、パフォーマンスを維持していても順位が落ちるため、自分の評価の絶対値だけを見ていては原因が見えません。
順位変動のタイプ | 主な原因候補 | 優先的に確認すべき項目 |
---|---|---|
急激な下落(数十位) | ペナルティ 重大ミス リンク問題 | Search Console リンク状況 手動対策の有無 |
緩やかな下落(数位〜十数位) | 競合強化 質の劣化 UX低下 | コンテンツリライト 内部構造 ページ速度など |
✅ 順位下落時の原因分析チェックリスト

チェック項目 | 優先度 |
---|---|
Search Consoleに警告が来ていないか? | ★★★ |
アルゴリズムアップデートとタイミングが一致しているか? | ★★☆ |
リンクの質に問題がないか? | ★★★ |
robots.txt や metaタグの記述ミスがないか? | ★★★ |
新規コンテンツの影響でサイト構造が崩れていないか? | ★★☆ |
競合サイトと比べて内容やE-E-A-Tが劣っていないか? | ★★☆ |
まとめ
順位が落ちたときは「慌てて直す」前に「冷静に見極める」
SEOで一番やってはいけないのは、“理由が不明なまま対応を始めてしまう”ことです。
順位が落ちる背景には、アルゴリズム・手動ペナルティ・競合・人的ミスと、さまざまな要素が複雑に絡みます。
それを正しく把握しなければ、復旧どころかさらに状況を悪化させてしまいます。
まずは分析。そして、次に打つべき手を見極めましょう。
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